2011年4月11日月曜日

「骸骨ビルの庭」上,下


「骸骨ビルの庭」上・下 宮本輝 著

戦後混乱期の大阪を舞台にした、戦争孤児とその子らに無償の愛を持って育て上げた2人の男性を通して家族愛や人間の絆を現代人に問いかけた物語。
仕事が忙しくて、この本にのめり込んだら大変なことになると思いながらも、引き込まれていく意志の弱さと作者の魅力、本文の随所に盛り込まれた人生訓の様な文章、たとえば「人間は変われない生き物なのだ。自分の人生を決める覚悟は、一度や二度の決意では定まり切れるものではない。何度も何度も、これでもかこれでもかと教えられ、叱咤され、励まされ、荒々しい力で原点にひきずり戻され、そのたびに決意を新たにしつづけて、やっと人間は自分の根底を変えていくことができるのだと思う」だとか、さすが宮本輝さんだねと感心してしまう小説でした。☆☆☆☆

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